心臓の検査

造影剤を使う検査と食事

CTやMRIでは造影剤が使われます。

 

本記事ではこれらの検査を受ける際の

 

食事に関する注意点をまとめます。

 

 

造影剤を使う検査を受ける前には

 

食事をしてはいけません。

 

これは非常に危険な場合があるからです。

 

造影剤を使用する検査では、

 

まれですが、検査中に気分が悪くなる

 

ことがあり、おう吐してしまうことがあります。

 

 

胃の中に食べたものがあると、

 

おう吐物したときに危険です。

 

CTやMRIの撮影は仰向けで撮影するため、

 

おう吐したものを吸い込んで,

 

窒息誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

 

の原因となり危険なのです。

 

 

病気を見つけるための検査ですから、

 

こうした危険は避けたいですね。

 

↓誤嚥性肺炎の解説図。

 

 

胃の中の食物というのは、かなり長い時間

 

残っていることがありますので、

 

食事は少なくとも検査の3時間前までに

 

済ませるか、検査後に摂るように

 

しましょう。


造影剤と副作用の頻度

ヨード造影剤の副作用の頻度

 

心臓CTで使われる非イオン性ヨード造影剤の

 

副作用の頻度について解説します。

 

造影剤を始めて使う場合

 

副作用全体の頻度は3%程度で、

 

重篤な副作用は0.04%

 

報告されています。

 

過去に造影剤

 

 

過去に造影剤を使用した人では

 

副作用全体の頻度は2%程度で、

 

重篤な副作用は0.03%

 

報告されています。

 

 

過去に造影剤の副作用を経験した人で、

 

再び造影剤の副作用がでる頻度は11%程度

 

重篤な副作用は0.18%

 

報告されています。

 

過去に副作用がでた場合でも、

 

毎回でるとは限らない様すが、

 

過去に造影剤を使う検査で副作用を

 

経験された方は、

 

検査を受ける際にはあらかじめ

 

申し出ましょう。

 

 

副作用の種類としては、気分不快・おう吐・

 

蕁麻疹などによるかゆみ・湿疹

 

重篤な副作用としては血圧低下・

 

呼吸困難・意識レベルの低下などです。

 

 

 

参考文献:
Katayama H, et al. Radiology, 175:621-628, 1990.


心臓CTと糖尿病の薬

心臓CTの前後で中止すべき糖尿病の薬

 

心臓CTに限らず、

 

造影剤を使うCT検査では、

 

検査前、検査後の一定期間

 

服薬を中止すべき糖尿病薬がありますので

 

注意しましょう。

 

 

国内では、日本医学放射線学会が

 

これらに注意を喚起する情報を

 

発信しています。

 

 

具体的な薬の名前はこのページの下に

 

一覧表としてまとめています。

 

 

 

検査前にわからないことがある場合は、

 

かかりつけの医師または薬剤師

 

相談しましょう。

 

 

 

CTの造影剤はヨード造影剤と呼ばれるものが

 

使われますが、ビグアナイド系とよばれる

 

種類の糖尿病薬は

 

頻度は少ないですが

 

CTの造影剤検査によって

 

体調が悪化することがありますので

 

検査の前からこうしたお薬は中止しておく

 

ことが望ましいといえます。

 

腎機能が低下している人

 

検査前に大量飲酒している人

 

肝臓の機能が低下している人

 

などは特に注意が必要です。

 

 

 

実際には検査の前後2日間は中止

 

することが多いですが、

 

不明な点は検査前に

 

かかりつけ医に相談しましょう。

 

 

心臓CT(造影CT)との併用に注意すべき糖尿病薬

薬の種類 販売名
ビグアナイド系経口血糖降下薬

グリコラン錠250mg
メトグルコ錠 250mg/500mg
メトホルミン塩酸塩錠250mg
メトホルミン塩酸塩錠250mgMT/500mgMT
ジベトス錠50mg
ジベトンS腸溶錠50mg

配合薬 (選択的DPP-4阻害薬+ビグアナイド系糖尿病薬)

イニシンク配合錠
エクメット配合錠LD/HD
メトアナ配合錠LD/HD

配合薬 (チアゾリジン系薬+ ビグアナイド系糖尿病薬) メタクト配合錠LD/HD