心臓の検査

心臓の各chamberの3D解剖

心臓MRI 3D画像


上の画像は心臓MRIによる心臓の3D画像を心臓の各chamberごとに色分けしたものです。
上行大動脈および冠動脈は赤で示しています。
左心室は水色、右心室はオレンジ、右心房は黄色、左心房は紫色に着色されています。

 

最も背側に位置するchamberは左心房であり、最も前に位置するのは右心室です。

 

この3D画像を見ておわかりだと思いますが、心臓の左心室はラグビーボールの端を切り落としたような形をしていますが、そのほかのchamberはどれも似ても似つかない形態をしています。また、左心室のように単純な形態ではないこともおわかりになるかと思います。

 

この様に、MRIやCTの3D画像を観察することによって、心エコーだけによる観察では得難い詳しい解剖学的な情報を得ることができます。

CTによる心臓3D解剖

左室長軸像


CTの3D画像で心臓周囲の血管や構造も含めて左室長軸像を観察すると、解剖学的理解が深まります。

 

長軸像では左室前壁に沿って冠動脈左前下行枝(LAD)が見えますが、LADに非常に近い場所にバイパス手術でも使われる左内胸動脈が走行しているのが明確にわかると思います。
また、左心耳は左主幹部(LMT), LAD近位部, 回旋枝(LCX)近位部に覆いかぶさるように位置しているのがみえます。左心房は、左心室と、背中側の椎体や大動脈に挟まれた位置にあることもわかります。

 

 

左室短軸像


CTの3D画像でみる左室短軸像は、胸壁と心臓、肺との位置関係、冠動脈と左室心筋の支配領域との関係、大動脈との位置関係がわかります。

 

 

4腔像


CTによる3D画像で4腔像および隣接する心臓の断面を観察することにより、心エコーでは観察しにくい心臓の構造と位置関係が理解できます。
右心房・右心耳・右冠動脈の位置や、右室流出路(肺動脈)と大動脈の立体交差する位置関係が良く理解できます。

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