心臓の検査

狭心症かも?医師が疑う6つのポイント

医師が典型的な狭心症を疑う胸の痛みの症状には特徴があります。

 

特に下記の条件で当てはまるものが多い場合

 

医師に相談しましょう 

 

最寄りのお医者さんで相談できますが、

 

専門的な相談をするなら、

 

循環器内科(じゅんかんきないか)

 

おすすめします。

 

 

胸の痛みがどんなときにおこるか?

 

運動や作業など、

 

心臓に負荷がかかるときにおこる胸の痛みは

 

狭心症にみられる特徴です。

 

運動というのは、スポーツに限りません。

 

よくあるのは

 

・駅の階段を駆け上がったとき

 

布団の上げ下ろし

 

・重い荷物を持ち上げたとき

 

などです。

 

 

運動や作業をやめると症状がおさまってしまう

 

心臓に運動などの負荷がかからないと

 

症状がおさまるのも特徴です。

 

例えば、

 

長い階段を駆け上がったときに胸が痛くなったけれど、

 

休むと痛みが消えてしまうといった場合です。

 

 

他にも、テニスのラリー中に胸痛が出るが、

 

休むとなおるなどいろいろあります。

 

 

痛みの種類

 

狭心症の胸の痛みの場所は、

 

胸の真ん中を中心とした痛みですが、

 

指をさしてここだと特定しにくい漠然とした範囲の痛み

 

であることが多いです。

 

 

典型的な狭心痛とされる痛みでは、

 

痛みの部位は一点に集中したもの

 

痛みの範囲も境界が不明瞭で

 

 

これが患者さんによって

 

痛みの表現が違ってくることになります。

 

人によっては、

 

心臓を握りつぶされるような重苦しさ

 

・胸に熱いものを押し当てられているような灼熱感

 

・胸を踏まれているような重苦しさ

 

などというように様々です。

 

胸以外に放散する痛み

 

胸の痛みに伴って、

 

ほかの部位にも痛みがおこる放散痛(ほうさんつう)

 

がみられることがあります。

 

よくある部位は、

 

背中・肩・上腕・喉・顎・歯の痛みがあります。

 

実際に歯の痛みを感じて歯科医の

 

診察を受け、後に狭心症と診断された人もいます。

 

 

息切れ

 

スポーツに限らず、

 

いままで同じ作業や運動では感じなかったはずの

 

息切れを強く感じる場合は、

 

狭心症の症状である場合があります。

 

ただし、単なる息切れは運動不足

 

肺の疾患・貧血など、

 

他に原因がある可能性もあります。

 

冷や汗

 

狭心症や心筋梗塞で起こる強い胸の痛みは、

 

時として冷や汗がでる場合があります。


心筋梗塞はぽっくり死ぬ病気?

心筋梗塞でも多くの人が生き延びる時代に

 

21世紀の初頭の現代で、心筋梗塞で残念ながら

 

亡くなる方がいる一方で、ひと昔前よりは

 

生き延びる人が増えてきた様です。

 

 

これは、AEDの普及によって

 

初期の蘇生処置のレベルが向上した

 

功績が大きいと考えられます。

 

 

人生100年時代という風に言われる今では、

 

心筋梗塞を経験しても長生きの人が増えてきたことは

 

朗報ですね。

 

 

ただし注意すべき点は、

 

心筋梗塞は 

 

心臓に傷が残る病気

 

だということです。

 

 

このような病気は、できれば

 

予防することが最善の策でしょう。

 

 

心筋梗塞で、どんな後遺症や問題が起こるのか?

 

すべてに当てはまるとは限りませんが、

 

ある程度重症な心筋梗塞を例として

 

可能性のあるものを列挙します。

 

 

 

@心臓のポンプ機能が低下し身体能力が低下する

 

 

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をする

 

筋肉でできた臓器です。

 

心臓の筋肉は冠動脈(かんどうみゃく)という血管

 

から血流をもらって動いています。

 

 

心筋梗塞は、この冠動脈が突然詰まることにより

 

血流が遮断されることで発症します。

 

 

冠動脈が詰まると、血流がもらえない心臓の

 

筋肉は壊死(えし)します。

 

 

 

壊死とは臓器を作る細胞が部分的に死ぬことです。

 

残念ながら21世紀初頭の現在の医療水準でも、

 

心筋梗塞でできた傷はもと通りにはなりません

 

 

また、心臓に傷があると動きが悪くなるので

 

心不全(しんふぜん)により息切れや疲れやすさ

 

が起こり、結果的に身体の活動力が

 

落ちてしまうのです。

 

 

 

 

A経済的な負担が続く

↓カテーテルによるステント治療

 

狭心症・心筋梗塞の治療では、カテーテルにより

 

血管の中にステントという金属の管を入れます。

 

その管を入れた後は内服の薬を定期的に服用します。

 

 

また、再発予防や心筋梗塞の傷による心不全の管理のため

 

定期通院と服薬が欠かせないことが多いです。

 

程度にもよりますが、重症の場合は半永久的にそうした管理が

 

続くため、経済的負担も無視できないでしょう。

 

 

 

B時間的な制約を受ける

 

現役で仕事をしていて忙しい人や

 

自由な時間をたくさんほしい人にとって

 

入院・通院などで仕事を離れたり、

 

時間に制限を受けることは

 

ご自身の仕事自体に影響したり、

 

精神的な苦痛かもしれません。

狭心症・心筋梗塞はなぜおこる?

冠動脈の解剖図


狭心症・心筋梗塞はは心臓の筋肉に栄養を送る

 

冠動脈(かんどうみゃく)の病気です。

 

動脈硬化と冠動脈

↓動脈硬化による血管の変化の解説図

 

 

動脈硬化(どうみゃくこうか)によって

 

徐々に冠動脈の内側が狭くなってしまうと、

 

心臓の筋肉に血流が流れにくくなり、

 

胸の痛みなどの症状を引き起こします。

 

これが狭心症(きょうしんしょう)です。

 

 

冠動脈が完全に詰まってしまうと、

 

冠動脈の血流が流れなくなり、

 

心臓の筋肉の細胞は死んでしまいます。

 

これを壊死(えし)とよびますが、

 

冠動脈が詰まることで心臓の筋肉が

 

壊死してしまう病気が

 

心筋梗塞(しんきんこうそく)です。

 

 

狭心症・心筋梗塞を調べる検査は?

医療機関を受診後、初期の段階で行う検査

 

狭心症・心筋梗塞について詳しく調べるために

 

医療機関を受診した場合に実施される検査は、

 

通常は比較的簡単に実施できるものから

 

行います。

 

内容は医師の診察に基づいて判断されますが、

 

心電図・採血・胸部レントゲンの他、

 

必要に応じて心エコーが行われます。

 

 

 

心臓CT

↓CTで撮影した冠動脈

医師の診断に基づいて

 

緊急を要する胸の症状でない場合、

 

心臓CTで冠動脈を調べることは

 

最近よく行われている方法です。

 

 

冠動脈の動脈硬化や、

 

血管の中が狭くなっていないか・

 

詰まっていないかを確かめることができます。

 

 

 

 

心筋シンチ

↓心筋シンチで撮影した心臓の筋肉の血流の状態

 

心筋シンチは、冠動脈を直接調べる検査ではありませんが、

 

心臓のポンプの役割の要である

 

左心室の筋肉の血流を撮影する検査です。

 

 

造影剤にアレルギーがある人や、

 

腎機能が悪い人でも

 

安心して受けられる検査です。

 

 

 

 

心臓MRI

心筋梗塞に関連する内容で、心臓MRIが最も得意とするのは

 

心筋梗塞の傷の範囲の診断や

 

心臓の中の血栓を見つけることです。

 

 

 

 

MRIでも冠動脈を撮影することができますが、

 

CTほどは積極的に使われていないのが実情です。

 

↓心臓MRIで撮影した冠動脈

 

 

 

 

 

 

カテーテル検査

もし、現在感じている胸痛について、

 

医療機関で診察を受けた結果

 

緊急を要すると判断された場合や

 

明らかに治療が早期に必要と判断された場合

 

心臓カテーテル検査を行うこともあります。