心臓の検査

心エコーとは?

心臓の画像検査の一つで、超音波で

 

心臓の動き・形血液の流れ

 

などを調べます。

 

 

現在心臓の画像検査の中で最も基本的に

 

使われている検査です。

 

循環器内科では心電図に次いでよく

 

使われている検査です。

 

 

検査は横になって機械を当てるだけ

 

X線などの放射線は使わず、

 

造影剤も使いませんので、

 

気軽に受けられる検査です。


心エコーの方法

心エコーの方法について、受診される方から

 

質問が多い内容について解説します。

 

心エコーのとりかた

横向きに寝た状態 (左側臥位)や

 

仰向けの状態で機械を胸に当てます。

 

画像がよく見えるように

 

胸にゼリーを付けて検査を行います。

 

 

心エコーは女性でも恥ずかしくない?

女性が心エコー検査を受ける場合でも

 

検査着を着たり、女性の検査技師が行う

 

など、いろいろと配慮して行いますので

 

安心して受けられます。

 

 

心エコーの検査時間

 

通常は15〜30分程度で終わる検査です。

心エコーで何がわかる?

 

心エコーでわかる病気

 

心エコーでわかる病気は多岐にわたりますが、

 

心エコーでみつかる代表的な心臓の病気を

 

列挙します。

 

弁膜症 (べんまくしょう)

心エコーでみつけやすい病気の

 

代表的なものが弁膜症です

 

心臓の中は4つの部屋で仕切られており、

 

心臓から肺、肺から心臓、心臓から全身へと

 

一方通行に血液が流れていきます。

 

心臓の中を流れる血液が逆流しないように

 

心臓には弁(べん)が備わっており、

 

血液が効率よく流れるようになっています。

 

 

この弁がうまく機能しない病気が

 

心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)です。

 

 

具体的には、

 

弁が十分に閉まらなくて逆流する(閉鎖不全)

 

弁が十分に開かない狭窄(きょうさく)

 

があります。

 

 

心臓の中の弁の名称
名称 部位
僧帽弁 (そうぼうべん) 左心房と左心室の間の弁です
三尖弁 (さんせんべん) 右心房と右心室の間の弁です
大動脈弁 (だいどうみゃくべん) 左心室から全身に血液を送る大動脈の弁です
肺動脈弁 (はいどうみゃくべん) 右心室から肺に血液を送る肺動脈の弁です

 

↓心エコーで撮影した僧帽弁の逆流

 

狭心症・心筋梗塞

狭心症(きょうしんしょう)・心筋梗塞(しんきんこうそく)

 

でみられる兆候も

 

心エコーでみつかる所見です。

 

 

狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉の血流が悪くなる

 

病気ですが、血流が悪くなった心臓の筋肉は、

 

結果として動きが悪くなったり、心筋梗塞になると

 

心臓の筋肉に傷ができて動きが悪くなったり、

 

心臓の筋肉が薄くなったりします。

 

 

心エコーは動画で心臓の動きを観察できるので、

 

このような動きの悪い部位をみつけることが

 

できるのです。

 

 

 

 

心筋症 (しんきんしょう)

心筋症も心エコーでみつかる

 

病気の一つです。

 

心臓の筋肉が異常に厚くなる

 

肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)

 

心臓の筋肉が異常に薄くなり動きが悪くなる

 

拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)

 

などがあります。

 

 

 

先天性の病気

心臓の4つの部屋を仕切っている壁に

 

生まれつき穴があいている病気など、

 

先天性の病気による所見も心エコーで

 

みつかります。

 

 

代表的な病気として

 

心房中隔欠損症 (しんぼうちゅうかくけっそんしょう)や

 

心室中隔欠損症 (しんしつちゅうかくけっそんしょう)

 

などがあります。

 

 

 

心臓の中にできた血栓(けっせん)

 

血栓ができる原因の一つに

 

心房細動(しんぼうさいどう)という

 

不整脈があります。

 

心房細動で心臓の動きが悪くなると

 

心臓の中に血栓ができやすくなります。

 

 

他にも、心筋梗塞などで

 

心臓の動きが悪くなった時にも

 

 

血栓(けっせん)

 

できることがあります。

 

 

 

心臓の中に血栓ができると、

 

脳梗塞(のうこうそく)やその他の重大な病気の原因になる

 

危険性があります。

 

 

この様に、心臓の血栓をみつけるためにも

 

心エコーは使われます。

 

 

 

心臓の中の血栓は、通常の心エコーでは

 

みつけにくいこともあるので、

 

経食道心エコー (けいしょくどうしんえこー)

 

という胃カメラに似た心エコー検査もあります。

 

心エコー検査をなぜうける?

心エコ検査を受ける理由

 

心エコー検査は、

 

上記の 心エコー検査で何がわかる? 

 

で記載した病気を見つけるのが最大の理由ですが、

 

病気を早期発見・早期治療することで、

 

治るチャンスをのがさないためでもあります

 

 

検査のきっかけとして下記のような場合が挙げられます。

 

 

心エコーは造影剤やX線を使わない検査なので、

 

気軽にうけられる検査です。

 

医療機関ですすめられることがあったら

 

受けてみましょう。

 

 

健診の心電図で異常といわれた

心電図の異常がすべて重大な病気

 

とは限りませんが、

 

狭心症・心筋梗塞や、心筋症

 

のような病気の兆候として

 

心電図に異常がでることがあります。

 

具体的なものとして、

 

心電図の波形の異常や不整脈があります。

 

心電図だけではこうした病気を

 

すべて確定的診断することは難しいですが、

 

 

心エコーではこのような病気を診断する

 

きっかけとなる所見を見つけることができます。

 

 

心エコーの所見によっては、

 

このサイトで紹介しているような

 

他の検査が必要となることがあります。

 

 

 

心臓がドキドキする

上記の心電図の異常と合わせて、

 

心臓がドキドキしたり、脈がとぶ感じ

 

といった症状がある場合、

 

 

心エコー検査で症状の原因や

 

その他の異常がみつかる

 

可能性があります。

 

 

胸のレントゲンで心臓が大きいといわれた

胸のレントゲンだけでは必ずしも

 

心臓の正しい大きさがわからない

 

こともありますが、

 

実際に心臓が大きくなっている兆候が

 

レントゲンにあらわれることがあります。

 

心臓が大きくなる場合、

 

心臓の動きが悪くなっていたり、

 

心筋症(しんきんしょう)

 

のような病気が原因の場合があります。

 

 

心エコーでは、こうした病気の特徴を

 

調べることができます。

 

 

胸の違和感や息苦しさなどの症状がある

 


胸の違和感や息苦しさといった

 

症状がある場合、

 

狭心症(きょうしんしょう)心筋梗塞(しんきんこうそく)

 

心臓の弁膜症(べんまくしょう)、

 

心筋症(しんきんしょう)

 

 

などの病気が原因である可能性があります。

 

心エコーでは、最初にこうした

 

病気をみつける手段となること

 

があります。